妻が海外赴任になったけど、僕はどうすれば?

アラサー夫婦の妻が海外赴任になり、ついていった夫のブログ。ロンドンでの生活も綴ります。

4月は異動の季節

別に大してアクセスの無い当ブログですが、4月初旬は突然アクセス数が増えました。
察するに発令を受けた方々が色々調べられているんだろうと思います。我々としても1年前が思い出されます。
ウチみたいに女性側が発令を受ける場合でも、男性側が発令を受ける場合でも、とにかくパートナーの方とはよく話し合いましょう。思ってることは正直に全部話しましょう。そうしてからが全てのスタートだと思います。

さぁ転職だ 完結編

前々回、前回につづいて転職活動完結編。すっかり書くのを忘れていた。

幾度かの面接を経て、内定へ

いくつか行った面接のうち、記載する意味がありそうなものを記載。
ちなみに自分はIT業界/金融業界をメインに応募を行なっていた。

  • A社:JAC Recruitment経由
    パッケージ商品のセールス担当の職務。
    日系の会社であるが、ロンドンにも開発拠点があり、ロンドンで開発したパッケージが中々の売れ行きで欧州全域を飛び回ってセールス活動を行うことが求められる。IT業の営業らしく、技術の詳細よりはお客のニーズを把握することが何より求められ、かつスムーズに英語で顧客と会話出来ることが求められる。サラリー水準については現段階では言及なし。
    面接の結果、不採用。
    理由としては英語がFluentでないこと、これまでITセールスの経験が無いこと、である。当たり前といえば当たり前であり、この結果には両者納得。

  • B社:Centre People経由
    日系金融機関へ常駐してプロジェクト支援。Job Descriptionを読む限り企画、設計、開発、テスト等なんでも。ぶっちゃけて言うとスーパーマン募集ということである。Maternity Cover(産休の人の代替要員)でnon-Permanent(有期契約)だけど
    面接においては、仕事はかなり遅くもなりますし大変です、と念押しされる。スーパーマン並の能力を持って、かつハードワークに耐えうる人材を求めているようだが、Job Descriptionに記載してある給料はmaximum 36,000£(500万円@139.24円)である。マキシマムなのでその満額をもらえるかも怪しい。こちらから見た面接官の印象もあまり良くなく、ここしか受からなかったらやむを得ないな、と思っていたレベル。
    面接の結果、不採用。
    理由はよくわからないし、あまり深くも聞かなかった。多分他にいい人がいたのだろう。

  • C社:JAC Recruitment経由
    JAC RecruitmentよりC社へ提案を行って頂き、将来案件があれば採用候補としたい、と言ってくれていた企業。C社のクライアント企業にて、急遽欠員が発生したため募集がかかったもの。そう、こういう展開が有り得るから提案のできるエージェントの方が良いのである。
    事前にJob Descriptionはなく、C社クライアントと直接面接で仕事内容についてQ&Aを行った。
    2年越しのプロジェクトの正に終盤であり、UAT中盤からの参画となるが、導入するソフトウェアに合わせた現場のアジャストが大量に残っており、炎上中(C社面接官談)のプロジェクト。一緒に組んでやって貰う人は毎日朝7時半から夜9時ぐらいまで働いている、とのこと。
    これだけ聞くと恐ろしい案件だが、これまでの自分の経歴が最も活かせる案件であり、かつ現場のアジャストではExcel VBAが多く求められるようで、これも自分が勘所を持ったものだった。
    面接の結果、内定。
    C社クライアントとしても緊急であり、かつ自分の経歴が相当うまい具合にはまったのでこれも納得。ハードワークは炎上プロジェクトの終わる2ヶ月間のみならなんとかなる。

内定した後の流れ

両者働く意思が出来上がったら、後は書類仕事である。雇用契約書、労働条件の確認書等々にサインをしてゆく。
この段階からあまり条件を変えられることは少ないと思うが、それでも各種書類はかなり入念にチェックしよう。

  • 契約開始日、終了日は明確な記載があるか?
  • 勤務時間は明確か?
  • Overworkについての記載はあるか?(残業代がでるのかどうか)
  • 給与支払い条件は?(週ごと、月ごと、等)
  • 有給についての記載は?
  • 退職時に余った有給の扱いは?
  • 等々...

基本的に、先方が口で何を言おうが書面に書いてあることが絶対である。自分が一つ失敗をしたのは、先方担当が間違えて「残業代は出る」という発言をしていたのだが、雇用条件にはそんなことは何も書いておらず、それに気が付かなかった。
そのため、最初の給与支払いの際に確認して間違いだったことが発覚・・・となった。かなりゴネてみたがやはりどうにもならなかった。

こぼれ話

自分の場合、実は最初の契約は派遣社員としての契約だった。なので本当の雇用主はC社ではなくJAC Recruitmentだった。JACでは、日本でイメージする派遣社員的な役割の人々の派遣もやっており、その仕組を(結構無理矢理に)自分の契約に当てはめたものだった。
なお、JAC Recruitmentでは基本的にこうしたオーダーメードの派遣契約はやっていない。自分の場合は特殊事情があったため例外である。当ブログを見たからと言ってそういう形式でも出来るだろう!と迫ってはダメなので悪しからず。

ちなみにその特殊事情というのは、契約形態が極めて短期であったことだ。クライアント予算がプロジェクトの終わる2ヶ月程度しかなく、その間だけの契約で仕事がスタートしたのである。クライアントが契約をロールしてくれるかどうか、事実上の試用期間だった。
普通に考えればプレッシャーだが、「猫の手も借りたい現場ではやることが全て加点評価になるメリットがある。大きく期待した人材がそうでもなくてガッカリ、とはなりにくい現場なので伸び伸びと好きにやるのがいい」とC社上司からアドバイスを貰った。幸い働きが認められて、2ヶ月のプロジェクト終了後にクライアントも契約ロールしてくれたことからC社へ正式採用となり、現在に至る。実は予算の都合はつきまとっているので相変わらず短期契約をロールしている身ではあるが、クライアントとの関係も良好であり互いに長期的な関係を目指している。

仕事内容についてもハードさは面接で聞いた通りであり、長時間労働だった以外は精神的な重圧もなく何も問題なかった。予想通りこれまでの自分のキャリアの延長線上にあるような仕事であり、大変良好である。
ちなみに応募した中で最も給料も高く、円換算して日本にいた頃よりやや少ないぐらいに収まった。これも安心した点である。

まとめ

国内外を問わず、転職と言うものは巡り合わせである。ヘッドハントされるならまだしも、普通にエージェントを使った転職は運の要素も相当程度あろう。
人材業界のマーケット動向にも左右されるため、焦らずしっかりと一つ一つ自分に合うのか考えるよりほかない。

また、人間何が役に立つかわからない。
自分が即戦力として活躍できたExcel VBAにしても、これまで業務としてやったことは1度だけだ。後はほとんど趣味的に自分用ツールを作ったりしていたもので習得したものだった。
JavaとかC++とか、金融業界でよく使われているオブジェクト系言語ならまだしも、まさかExcel VBAに助けられるとは思わなかった。ちなみに私のオブジェクト系言語の能力はほぼない。余計にラッキーである。
こういう事があると、何事も好き嫌いせずにやってみることの重要性を感じる。

お察しの通り、自分は大変な幸運に恵まれた。
わざわざロンドンで急遽欠員があってそれが自分の経歴にピッタリなんて、そんな幸運がそうそうあるだろうか。普通はないと思う。

同じような境遇で悩んでいる人は、どうしても焦るとは思うが特効薬はない。定石通りに自分のスキルを整理して色々な可能性をあたってゆくしか打開策はないと思う。

結局正論に落ち着いてしまうが、本ブログが読者のお役に少しでも立てば幸いである。

イギリスの医療事情(2017年初頭版)

※今回のエントリは医療の話ですが、2017年2月現在で私達夫婦で経験したこと、イギリス在住歴の長い人から聞いた話がメインになっています。
しかし、この問題は場所によっても変わることが多いと思うので、もし事実と異なるものがあったら是非お知らせ下さい。

イギリスの医療は、真っ当な人であれば外国人でも加入することが出来る国営の医療サービス(NHS)が基本だ。各種処置はNHSで受ける限りに置いて基本的に無料と、日本よりも優れた制度の様に聞こえる。
ところがどっこい、実際には医療を求める人が多すぎて待ち時間が異常に長くなっていること、それにより必要な処置を受けられない等、深刻な問題が発生しているサービスでもある。

NHSとは別に、私的(Private)な医療機関も多数存在する。公立学校に対する私立学校みたいなものだ。
但し、Privateを利用すると診療代がべらぼうに高い。
日本人向けの医療機関で、問診+血液検査をやって安くて300£とかである。色々検査をしたりすると400£,500£,600£と跳ね上がってゆく。もちろん処方薬代は別だ。
こうした水準なので、Private Health Insuranceという保険に入る人も多い。私もこちらに来た際に勧められて加入した。
ちなみにInsurance Planを組もうにも医療英語がさっぱりわからなくて苦労した・・・この話はまた別途。

イギリスで具合が悪くなったらどうする?

NHSを利用する場合、まずはGP(General Practice)へ診察を予約する。
GPとは、内容に関係なく具合が悪い際にまず診療を依頼するかかりつけ医である。このGPがより大きな病院での処置の必要があると認めた場合はReferrral(紹介状)を発行してくれて、それを元に大病院で手術等の処置を受けることになる。
ちなみにGPは登録しないと受けられないので、入国したらGP登録も早めに行ったほうが良い。
以下のページから最寄りのGPの登録フォームを入手し、記入して提出しにいきましょう。

Find GP services - NHS Choices

ちなみに、Private GPという手段もあり、60£ぐらいで15分位の診察を受けることが出来る。
しかしGPはGPなので、専門的な処置が必要な場合はReferralをもらうことに変わりはない。

「具合が悪い」のレベル感

イギリスでは、「具合が悪い」の中にただの風邪は含まれない。本当に医者の処置が必要なものだけを言う。
実際にGPに予約を取る必要があるケースは、インフルエンザ等ウィルス性のもので抗生剤が必要な場合、外科的な処置が必要な場合等である。
なお、GPの予約が取れるのは早くて1週間後。悪ければ2週間以上。そう、ただの風邪なら予約を待ってる間にほぼ治る。
挙句、大病院へReferralを貰ってもその予約がまた1ヶ月後、ということだってザラだ。
例えば足を捻挫して歩くのが辛いが、どうにか耐えて1週間待ってGPの診療を受けられたと思ったら、本格的な処置はその1ヶ月後。
やってられるか!という人(そして予算がある人)のためにPrivate ClinicやPrivate Health Insuranceがある。
お金があるならそのままPrivate Clinicに行ってもいいし、保険に入っているなら保険でカバーされているPrivate ClinicにReferralを書いてもらい、NHSよりもよっぽど素早く処置を受けて費用は保険でカバーする、という訳だ。

ちなみにイギリスではただの風邪ぐらいなら、スーパーで30ペンスとかで売っているParacetamol(一般的鎮痛薬)を飲んでじっとしているのが通常である。
ただの風邪でGPなんぞ行こうものなら「寝る以外何もできんのにアンタ何しに来た?」となる(らしい)。
イギリスでは何かあったらParacetamol、特に喉が痛いならStrepsils。これ大事。

イギリスで緊急を要するレベルで具合が悪くなったらどうする?

大病院のうち、A&E(Accident & Emergency)があるところへ駆け込む。
NHSでも事前登録等は特に不要で、本当に必要なときは駆け込めるようになっている。

ただし、とてつもない待ち時間を覚悟する必要がある(緊急性で上下するが)。
私の家内が尿管結石の痛みで駆け込んだときは、病院到着から解放されるまでに11時間を要した。妊婦だからという特殊事情もあったが。この話もまた別途。

NHSの待ち時間がとてつもなく長いのは何故?

色々な所で言われているが、基本的には需要に対して供給が追いついていないからだ。日本でも医師不足が指摘されているが、その比ではない。
これには、移民問題が大きく関わっている様だ。
ご存知の通り、EU加盟国は人の行き来も自由だ。
そのため、賃金水準の高いイギリスにEU内の国から大量に人が押し寄せたため、このような状況になっている。
公共サービスが当初想定していない水準の患者数になってしまったということだ。
また、特にA&Eの待ち時間が長時間となっている理由は、事前登録が不要であり、かつ身分証のチェック等をされるわけでもないので貧困層がGP代わりに来ているためらしい。

終わりに

こうした公共サービスが無料であるのはありがたいが、これだけ患者が多ければ一人一人にそう時間を割けるはずもない。
イギリスで毎年健康診断を受けていたのに、日本に帰った際にたまたま健康診断を受けたら悪い病気がみつかった、という事例も存在する。

この問題はよくBBCなどでも採り上げられており、昔からイギリスに住む人々にはかなり深刻な問題として認識されている。
20年ほど前に国際結婚して日本から移住した方が職場の同僚にいるが、「こうした問題を考えるとBrexitは大賛成」と言っている。
この発言が医療問題の影響の広さ、深さを物語っている様に思える。

イギリスの携帯電話事情

携帯電話は、それなりの文化水準の国ならどこの国で暮らそうが現代では基本的に必要だと思います。
イギリスに来て、翌日に携帯電話が使えるように、SIMカードを買いに行きました。
機種は日本人らしく(?)、iPhone6sでSIMフリーだったのでただSIMカードを挿せば使えるようになりました。

日本の携帯電話料金は高い、というのはニュース等では耳にしたことがありましたが、実際どれぐらい高いのか肌感覚はさっぱりありませんでした。

というわけで、携帯電話事情について経験のある範囲で書いていってみます。

キャリア

私はEEを使っています。
理由は通りすがりの店があったから。
プリペイドくださいな、と言って買うだけでした。
O2とかVodafoneとか他にもありますが、私のようなプリペイドオンリーの使い方をしていると多分大差ないと思います。

料金体系は?

Pay as you go(プリペイド方式)か、Pay Monthly(毎月請求)かのどちらかです。
私はPay as you goでEverythingと呼ばれる通話、データ通信及びテキストメッセージをまとめたパックで毎月15£ポッキリ。
他には以下のようなプランがあります。

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Everythingのほかは、データ通信のみ、通話+テキストメッセージのみ、といったパックがあります。
私の家内は最安の通話+テキストのパックにデータ通信を別途購入しており、毎月11£です。

本体の分割払いがないにしても、日本の3大キャリアと比べると相当安いですね。
イギリスでくらいしていると1£=100円の感覚になってくるので、体感的には日本円よりもさらに安く感じています。
今の為替レートで日本円に直してもこの通り。(@139円)
私:2,000円程度
家内:1,500円程度

ちなみに、周りの日本人を見ていても、大体の人がこのようにプリペイドにしているように思います。

最新iPhoneは?

キャリアで本体を買うと月々プランになるようで、iPhone7販売ページはこんな感じ。

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プランはこんな感じ。

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ベストセラーの5GB通話し放題プランで、55.99£=7,700円とこれでようやく日本のキャリアと似たようなものになってきました。(iPhone7だともうちょっと高いかも?)

ちなみに今、価格比較用にauのポームページにてiPhone7を買うといくらになるか試算しようとしましたが、最終的な月々の価格等は出てこず。あの複雑怪奇なオプションだのどうだのをauショップでやらないといけないってことなんですかね。
ちなみにソフトバンク等でも同じ。
海外から移住してきた人が携帯買おうとしたらすっげぇ不安になるだろうなコレ・・・。

電波状況、速度は?

これはさすがに日本の方に軍配があがります。
建物や駅構内でも、トイレとか建物中心部やドアに囲まれた場所へ行くと通信品質がガクッと下がります。
普通にオフィスで過ごしてる分には今のところ問題ありません。
また、当然地下鉄では電波は通じません。

レストラン等ではフリーWi-Fiが多いので気軽に接続することは出来るのですが、暗号化されておらずセキュリティに関する警告が出るWi-Fiもよくあります。
もちろんセキュリティの観点では、IDとパスを入力するような通信はそうしたネットワークでは行うべきではありません。
街中で拾える野良Wi-Fiなんかにはそうしたネットワークで銀行口座情報とか入れちゃう人が出てくるのを待っているのかもしれません。

結論

電話本体さえ持ってくればむしろ日本よりも安いが、サービス品質は日本の方が上ではある。
でも筆者は安いほうが良い。
もうSIMフリー機種だし将来帰国したらMVNOにしようと思います。