妻が海外赴任になったけど、僕はどうすれば?

アラサー夫婦の妻が海外赴任になり、ついていった夫のブログ。ロンドンでの生活も綴ります。

さぁ転職だ 完結編

前々回、前回につづいて転職活動完結編。すっかり書くのを忘れていた。

幾度かの面接を経て、内定へ

いくつか行った面接のうち、記載する意味がありそうなものを記載。
ちなみに自分はIT業界/金融業界をメインに応募を行なっていた。

  • A社:JAC Recruitment経由
    パッケージ商品のセールス担当の職務。
    日系の会社であるが、ロンドンにも開発拠点があり、ロンドンで開発したパッケージが中々の売れ行きで欧州全域を飛び回ってセールス活動を行うことが求められる。IT業の営業らしく、技術の詳細よりはお客のニーズを把握することが何より求められ、かつスムーズに英語で顧客と会話出来ることが求められる。サラリー水準については現段階では言及なし。
    面接の結果、不採用。
    理由としては英語がFluentでないこと、これまでITセールスの経験が無いこと、である。当たり前といえば当たり前であり、この結果には両者納得。

  • B社:Centre People経由
    日系金融機関へ常駐してプロジェクト支援。Job Descriptionを読む限り企画、設計、開発、テスト等なんでも。ぶっちゃけて言うとスーパーマン募集ということである。Maternity Cover(産休の人の代替要員)でnon-Permanent(有期契約)だけど
    面接においては、仕事はかなり遅くもなりますし大変です、と念押しされる。スーパーマン並の能力を持って、かつハードワークに耐えうる人材を求めているようだが、Job Descriptionに記載してある給料はmaximum 36,000£(500万円@139.24円)である。マキシマムなのでその満額をもらえるかも怪しい。こちらから見た面接官の印象もあまり良くなく、ここしか受からなかったらやむを得ないな、と思っていたレベル。
    面接の結果、不採用。
    理由はよくわからないし、あまり深くも聞かなかった。多分他にいい人がいたのだろう。

  • C社:JAC Recruitment経由
    JAC RecruitmentよりC社へ提案を行って頂き、将来案件があれば採用候補としたい、と言ってくれていた企業。C社のクライアント企業にて、急遽欠員が発生したため募集がかかったもの。そう、こういう展開が有り得るから提案のできるエージェントの方が良いのである。
    事前にJob Descriptionはなく、C社クライアントと直接面接で仕事内容についてQ&Aを行った。
    2年越しのプロジェクトの正に終盤であり、UAT中盤からの参画となるが、導入するソフトウェアに合わせた現場のアジャストが大量に残っており、炎上中(C社面接官談)のプロジェクト。一緒に組んでやって貰う人は毎日朝7時半から夜9時ぐらいまで働いている、とのこと。
    これだけ聞くと恐ろしい案件だが、これまでの自分の経歴が最も活かせる案件であり、かつ現場のアジャストではExcel VBAが多く求められるようで、これも自分が勘所を持ったものだった。
    面接の結果、内定。
    C社クライアントとしても緊急であり、かつ自分の経歴が相当うまい具合にはまったのでこれも納得。ハードワークは炎上プロジェクトの終わる2ヶ月間のみならなんとかなる。

内定した後の流れ

両者働く意思が出来上がったら、後は書類仕事である。雇用契約書、労働条件の確認書等々にサインをしてゆく。
この段階からあまり条件を変えられることは少ないと思うが、それでも各種書類はかなり入念にチェックしよう。

  • 契約開始日、終了日は明確な記載があるか?
  • 勤務時間は明確か?
  • Overworkについての記載はあるか?(残業代がでるのかどうか)
  • 給与支払い条件は?(週ごと、月ごと、等)
  • 有給についての記載は?
  • 退職時に余った有給の扱いは?
  • 等々...

基本的に、先方が口で何を言おうが書面に書いてあることが絶対である。自分が一つ失敗をしたのは、先方担当が間違えて「残業代は出る」という発言をしていたのだが、雇用条件にはそんなことは何も書いておらず、それに気が付かなかった。
そのため、最初の給与支払いの際に確認して間違いだったことが発覚・・・となった。かなりゴネてみたがやはりどうにもならなかった。

こぼれ話

自分の場合、実は最初の契約は派遣社員としての契約だった。なので本当の雇用主はC社ではなくJAC Recruitmentだった。JACでは、日本でイメージする派遣社員的な役割の人々の派遣もやっており、その仕組を(結構無理矢理に)自分の契約に当てはめたものだった。
なお、JAC Recruitmentでは基本的にこうしたオーダーメードの派遣契約はやっていない。自分の場合は特殊事情があったため例外である。当ブログを見たからと言ってそういう形式でも出来るだろう!と迫ってはダメなので悪しからず。

ちなみにその特殊事情というのは、契約形態が極めて短期であったことだ。クライアント予算がプロジェクトの終わる2ヶ月程度しかなく、その間だけの契約で仕事がスタートしたのである。クライアントが契約をロールしてくれるかどうか、事実上の試用期間だった。
普通に考えればプレッシャーだが、「猫の手も借りたい現場ではやることが全て加点評価になるメリットがある。大きく期待した人材がそうでもなくてガッカリ、とはなりにくい現場なので伸び伸びと好きにやるのがいい」とC社上司からアドバイスを貰った。幸い働きが認められて、2ヶ月のプロジェクト終了後にクライアントも契約ロールしてくれたことからC社へ正式採用となり、現在に至る。実は予算の都合はつきまとっているので相変わらず短期契約をロールしている身ではあるが、クライアントとの関係も良好であり互いに長期的な関係を目指している。

仕事内容についてもハードさは面接で聞いた通りであり、長時間労働だった以外は精神的な重圧もなく何も問題なかった。予想通りこれまでの自分のキャリアの延長線上にあるような仕事であり、大変良好である。
ちなみに応募した中で最も給料も高く、円換算して日本にいた頃よりやや少ないぐらいに収まった。これも安心した点である。

まとめ

国内外を問わず、転職と言うものは巡り合わせである。ヘッドハントされるならまだしも、普通にエージェントを使った転職は運の要素も相当程度あろう。
人材業界のマーケット動向にも左右されるため、焦らずしっかりと一つ一つ自分に合うのか考えるよりほかない。

また、人間何が役に立つかわからない。
自分が即戦力として活躍できたExcel VBAにしても、これまで業務としてやったことは1度だけだ。後はほとんど趣味的に自分用ツールを作ったりしていたもので習得したものだった。
JavaとかC++とか、金融業界でよく使われているオブジェクト系言語ならまだしも、まさかExcel VBAに助けられるとは思わなかった。ちなみに私のオブジェクト系言語の能力はほぼない。余計にラッキーである。
こういう事があると、何事も好き嫌いせずにやってみることの重要性を感じる。

お察しの通り、自分は大変な幸運に恵まれた。
わざわざロンドンで急遽欠員があってそれが自分の経歴にピッタリなんて、そんな幸運がそうそうあるだろうか。普通はないと思う。

同じような境遇で悩んでいる人は、どうしても焦るとは思うが特効薬はない。定石通りに自分のスキルを整理して色々な可能性をあたってゆくしか打開策はないと思う。

結局正論に落ち着いてしまうが、本ブログが読者のお役に少しでも立てば幸いである。